アンケート調査で得た顧客の声
顧客満足度を調べるためにお客様に対してアンケート調査を実施することがある。一般的に企業は商品開発や新サービスを始める際に、顧客満足度をアンケート調査で測るという方法が広く使われている。企業はその調査で得た多くのデータをもとに、顧客の満足度を見て計画を進めていく。
ある経営者から「顧客が離れて行く、どうしたものか」と、相談されたことがある。この方は、お客さんにアンケートを取り顧客満足度の調査を実施したとのこと。「弊社のサービスや商品に満足ですか。」に対して「はい/いいえ」の二者択一回答。このアンケートには、8割以上のお客さんが「はい」を選択したそうだ。その結果をもって満足して下さっていると判断したそうだが、おかしな話だ。サービスや商品に満足しているお客さんが大半を占めているのに、客離れが目立っているというのだ。
アンケート調査で得た顧客の声は、本当に信頼出来るのだろうか。ある調査会社によると、他のサービスや商品に移ったお客さんの8割以上が、サービスや商品に不満があったわけではないというのだ。それどころか、反対に満足していたという調査結果が報告されてる。どうやら「満足して貰えましたか」とお客さんにアンケートをとると、多くのお客さんは満足でなくても「はい」と回答する傾向にあるようだ。
この疑わしい「はい」は、回答全体の何割を占めているのだろうか。企業は「はい」が多ければ多いほど、安心して計画を進めて行くが、後にボタンの掛け違いに気付くことになる。マーケティングに失敗する要因のひとつだ。
2020年9月9日 キリャク編集部